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歯頚部の虫歯の治療 – 見えない境目の治療が、歯茎の健康を左右します –
歯頚部(歯茎の縁)の虫歯は、見た目には小さく、
「ちょっと詰めればすぐ治る」と思われがちです。
しかし、 この部分は
“見えにくく、誤魔化しが効かない場所” です。。
気づかないうちに状態が悪くなっていたり、
不適切なレジンが原因で ,
歯茎がずっと炎症を起こし続ける こともあります。
「痛くないから大丈夫」 「小さい虫歯だから簡単」
そう思っていた方ほど、
実は問題が隠れていることがあります。
今回は、実際の症例を通してお話しします。
歯頚部に入っていたレジンの状態
● 粗造なレジンとガタついた縁
歯頚部にレジンが詰められていますが、表面は粗く、縁もガタついていました。
こうした形態は 汚れが停滞し、歯茎が炎症を起こす原因 になります。


● 奥歯のレジンは触れただけで脱離
奥歯のレジンは、軽く触れただけでポロっと取れてしまいました。




● レジン除去後:歯茎側は余剰レジンのみ
取れた後を見ると、歯茎側は「歯の上にレジンを盛っただけ」のような状態で、
虫歯もなく、形態的にも問題はありませんでした。

● 手前の歯:一見段差なし → 歯茎を下げると段差
手前の歯は一見きれいに見えますが、
歯茎を下げるとレジンが段になっていました。
この段差は 歯茎がずっと腫れ続ける原因 になります。

治療内容
奥の歯は、余計なレジンを除去し、
歯茎に自然に移行するように形態を整えました。
手前の歯は、歯の縁がしっかり見える状態を確保したうえで、
ダイレクトボンディングで段差なく充填しました。




経過
● 5か月後
奥の歯の歯茎はきれいに馴染み、 手前の歯もレジンと歯茎が自然に調和しています。

● 6年後
奥の歯も手前の歯も、歯茎の状態は良好で、きれいに維持されています。
(その間、下の歯も差し歯3本とダイレクトボンディングで治療しています。)

“6年後も歯茎が安定している”
これは、治療が正しく行われた証拠です。
歯頚部の治療で大切なこと
歯頚部のレジン充填は「詰めるだけなら簡単」です。
しかし、詰めるべき歯の部分をきちんと露出させて見える状態にしなければ、
歯と歯茎の境界に段差が生じ、そこに汚れが溜まりやすくなります。
その結果、
- 歯茎の炎症
- 二次虫歯
- 歯周病の進行
につながります。
だからこそ、
① 歯の縁をしっかり見えるようにすること
② 段差なく、余計なレジンを盛らずに仕上げること
という、ごく当たり前のことを丁寧に行うことがとても重要です。
(ただ、歯科治療では、この“当たり前”を当たり前に行うことが、実はとても難しいのです。)
歯頚部の治療は、 “どれだけ丁寧に形態を作れるか”で、未来の歯茎が決まります。
レジン治療(詰める治療、ダイレクトボンディング)でお困りの方は、遠慮なくご相談ください。
日本歯科専門医機構 補綴歯科専門医
日本顕微鏡歯科学会 認定医
歯学博士
いき歯科医院 院長 壹岐俊之