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院長ブログ
入れ歯とマイクロスコープ
入れ歯とマイクロスコープ――聞いただけでは、まったく関係がないように思われるかもしれません。
でも、「食べる」という視点で考えると、実は深いつながりがあります。
私は歯科医師としての歩みを、入れ歯の勉強から始めました。
世の中では「入れ歯はうまく噛めない」と思われがちですが、しっかり作られた入れ歯なら、ほとんど問題なく食事を楽しむことができます。
ただし、どんなに良い入れ歯でも「自分の歯で噛む感覚」や「食べ物の味わい」にはかないません。
だからこそ、できるだけ自分の歯でおいしく食べ続けられるように、私は予防に力を入れてきました。
けれど、残念ながら予防をしていても虫歯や歯周病はゼロにはできません。さらに昔ながらの治療法では、大きく削ることで歯の寿命を縮めてしまうこともあります。
そこで始めたのが「できるだけ小さく、正確に治す」治療です。
最初はルーペを使い、少しずつ拡大率を上げていきました。やがて行きついたのが、さらに鮮明に見えるマイクロスコープでした。
多くの歯科医院ではマイクロスコープを神経の治療のために導入します。
でも、私にとっての目的は違います。
「1本でも多くの歯を残し、できるだけ長く、おいしく食べてもらう」――そのためにマイクロスコープを使うようになったのです。
だから私にとって、入れ歯とマイクロスコープはつながっています。
歯を失ってしまったら入れ歯で食べる楽しみを守る。
歯が残っているうちはマイクロスコープで大切に守る。
どちらも「食べる喜び」を中心にした、私の歯科治療の両輪なのです。

いき歯科医院
壹岐俊之
日本補綴歯科学会 専門医
日本顕微鏡歯科学会 認定医