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ダイレクトボンディングの7年後
ダイレクトボンディングで治療した歯の7年後です。
右下の親知らずが、手前の歯の根元に食い込むように生えていた患者さんがいました。
その影響で、見えない場所に虫歯ができてしまっていたケースです。
今回は、その歯をダイレクトボンディングで治療してから7年後の経過を紹介します。
「精密な治療がどれだけ歯を守るのか」を実際の症例で見ていただけると思います。

レントゲンでは、親知らずが手前の歯の根元にぶつかり、
その部分が黒く写っていました。虫歯が疑われる状態です。

このままでは治療ができないため、まずは親知らずを抜歯。
抜歯後のレントゲンでも、やはり根元に虫歯が残っているのが分かります。
実際の口の中
口の中を上から見ても全く分かりません。
鏡を使って歯の裏側を覗き込むと、ようやく虫歯が確認できました。


実際の治療
歯茎を少し押し下げて、
虫歯をピンポイントで削ります

レジンを丁寧に積層して詰めていきます

写真で見ると簡単そうに見えるかもしれませんが、
実際はマイクロスコープ下で、
すべて鏡を使い、上下左右も奥行きも逆に見える“鏡像の世界”での作業です。
唾液のコントロールもしながら、
限られた視野の中で精密に操作する必要があります。
(今ならラバーダムを使って、さらに良い環境で治療できますが、
当時はまだそこまでの器具や技術が整っていませんでした。)
治療後は、噛む方向から見ても全く分からないほど自然に仕上がりました。

治療直後のレントゲン写真
白く写っている部分が、レジンを詰めたところです。
必要な部分だけを最小限に削り、しっかり封鎖されています。

そして7年後。。。。。
7年後の口腔内写真とレントゲンです。


治療した部分は変わらず綺麗なまま。
再度虫歯になることもなく、非常に良い状態を保っています。
患者さんが丁寧に歯ブラシを続けてくださったことも大きな要因です。
治療した歯を長く保たせるには、
「自費だから長持ちする」のではありません。
一つ一つの工程を、
丁寧に・精密に・理にかなった方法で積み重ねられるかどうか。
これこそが、治療の寿命を大きく左右します。
そして残念ながら、
健康保険の枠組みでは、その工程を十分に確保することが難しいのが現実です。
自費診療は、
必要な時間・材料・技術・環境をしっかり確保できるため、
結果として治療が長持ちする可能性が高くなります。