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院長ブログ

健康保険の入れ歯と健康保険外の入れ歯の違い

健康保険の入れ歯と健康保険外の入れ歯の違いは、
一般的には「金属を使うか、プラスチックか」
という材料の違いだと思われている方が多いと思います。

いき歯科では、材料の違いよりも

・型の採り方 ・歯茎への密着度
・食事中に歯茎・頬・唇・舌とどれだけ調和するか
・上下の歯がどれだけ正確にかみ合うか

といった“機能の違い”を重視して入れ歯を作っています。

グルコセンサーで実際に比較してみました

今回、グルコセンサーという機械を使って、
健康保険の入れ歯と健康保険外の入れ歯で、
食べたときにどれくらい違いが出るのかを比べてみました。

グルコセンサーは、直径2cmほどのグミを20秒間噛んでもらい、
そのときに溶け出すグルコース量を測定することで
どれくらい噛めているかを数値化する検査です。
また、噛んだ後のグミの形態から粉砕具合も確認できます。

比較した入れ歯について

  • 健康保険の入れ歯:  抜歯後の治癒期間に6か月以上使用
  • 健康保険外の入れ歯:  作製後2週間経過したもの

患者さん自身の実感としては、
どちらも「よく噛める入れ歯」です。
ただし、健康保険外の入れ歯の方が 、
「ピタッとして噛みやすい」という感想がありました。

健康保険の入れ歯

健康保険外の入れ歯

グルコセンサーの結果

健康保険:130
健康保険外:205

この 205 という値は、
すべての歯がある方と同じくらいの咀嚼能力になります。

グミの粉砕状態

保険の義歯   130  グミがやや粗く残る
保険外の義歯  205  グミが細かく砕け、唾液とよく混ざっている。 天然歯に近い咀嚼状態。

 

なぜこの違いが出るのか

健康保険の入れ歯

  • アルジネート印象材で1回型を採るだけ

健康保険外の入れ歯

  • アルジネート印象からオーダーメイドのトレーを作製
  • 口の動きを再現する型取り(筋形成)
  • 食事中の粘膜の動きを再現する型取り(機能印象・アルタードキャスト)
  • 噛んだ時に入れ歯が動かないように設計
  • 咬合力に耐えるための金属フレームによる剛性確保
  • 上下の歯が正確に咬み合うように咬合調整

ただし、いき歯科の保険義歯も“次の義歯を見据えて”作っています

今回比較した健康保険の入れ歯は、
後に作る健康保険外の入れ歯を想定して設計しているため、
構成自体は大きく変わりません。

それでも、
型取りの精度・設計の細かさ・剛性・咬合の再現性 といった部分を丁寧に積み重ねることで、
咀嚼機能に大きな差が生まれます。

入れ歯の違いは材料ではなく、
「型取り」「設計」「咬合」「剛性」の精度です。
その結果、咀嚼機能に1.5倍の差が出ることがあります。

入れ歯は「誰が作るか」で結果が変わります

入れ歯は、型を採ればすぐできるものではありません。
口の中の状態を正確に把握し、
どのような入れ歯を作るかを考える知識、
その通りに形にする技術と経験が必要です。

入れ歯ほど、作る人によって結果が変わる治療はありません。
そして、残念ながら、
どれだけ手を尽くしても上手くいかないことがあるのも入れ歯です。
それだけ難しい治療でもあります。

入れ歯で噛めない方へ

だからこそ、
入れ歯でお困りの方は、
専門の先生に相談することをおすすめします。

日本歯科専門医機構 補綴専門医
日本顕微鏡歯科学会 認定医
歯学博士

いき歯科医院
壹岐俊之

執筆者情報

院長 壹岐 俊之
院長

壹岐 俊之IKI TOSHIYUKI

当院では、
「いつまでも健康でいてほしい」
「毎日おいしく食事を楽しんでほしい」
と願いながら、日々の診療に取り組んでいます。

「食べる」という機能は、食べているからこそ機能し続けるものです。
たとえ⻭を1本失っただけでも、実は「食べる」機能は低下していきます。

複数の⻭がなくなっても、きちんとした入れ⻭を作れば、入れ⻭でどんなものでもほぼ食べることはできます。しかし、所詮「義⻭・ぎば」であり、食べやすさ、感じる美味しさ等は、当然自分の⻭で食べることよりも劣ります。
また動物は、⻭がなくなると食べ物を食べることができません。さらには外敵からも身を守ることができません。つまり⻭がなくなる事=死を意味します

だからこそ、自分の⻭を大事にして、自分の⻭で美味しく食事をして、いつまでも元気でいてもらいたいと考えております。(入れ⻭が専門だからこそ、たくさん入れ⻭を作ってきたからこそ、特に自分の⻭で食べることの大事さを実感します)

「食べる」機能を決して侮らないでください。「食べる」ことをおろそかにしないでください。一度低下した機能を元に戻すのは、とても大変です。
虫⻭や⻭周病を事前に防ぎ、自分の⻭で食べ物をおいしく食べて、毎日健康でイキイキとした人生を送ってください。
お口に関するお悩みがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

  • 略歴

    1997
    日本大学⻭学部 卒業
    2001
    日本大学大学院博士課程 卒業(⻭科補綴)
    日本大学⻭学部助 手(局部床義⻭科)
    2001
    いき⻭科医院 開院
  • 所属学会・資格・役職

    • ⻭科医師
    • ⻭学博士
    • 日本歯科専門医機構認定 補綴歯科専門医
    • 日本顕微鏡歯科学会 認定医
    • SCMD臨床顕微鏡⻭科研究会 所属
    • 練馬区立豊玉第四保育園 園医
    • Nicot 練馬 園医
    • 練馬区役所練馬つつじ⻭科診療所 協力医
    • 東京都立心身障害者口腔保健センター 協力医